2026.06.03

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All Englishの授業、ホントのところは?| 中村直紀先生インタビュー

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私立校に限らず、いまや公立小学校でも広がりつつある、All English(全編英語)による授業。
実践的な英語環境に身を置ける点は大きな魅力である一方、英語力の異なる子ども同士で行うコミュニケーション中心の授業に、「理解や得意・不得意による差が生じてしまうのではないか」と不安を感じる声も少なくありません。
また、アカデミックな英語力の習得を見据えたとき、「本当に必要な力は身につくのか」という疑問を抱く方もいるでしょう。
こうした問いに対し、TOEFL Primary® / TOEFL Junior®オフィシャルアドバイザーであり、私立賢明学院小学校にてAll English授業を実践されている中村直紀先生に、実際の授業をもとにお話を伺いました。

※インタビューは、国際教育フェア2026春東京において、TOEFL Primary® のワークショップ(体験授業)と合わせて行われたものです。中村先生は講師としてご登壇いただきました。

 

All English(オールイングリッシュ)授業とは?

授業中の説明や指示、活動のやり取りまでをすべて英語で行う指導スタイルを指します。
日本語への逐次的な翻訳に頼らず、英語を「理解する言語」としてではなく、「使いながら考える言語」として扱うのが特徴です。
子どもたちは英語を聞き、考え、発話するプロセスを繰り返す中で、自然な言語運用力を身につけていきます。

 

中村直紀先生プロフィール

関西外国語大学、アリゾナ州立大学にて実践的な英語教育指導法を学び、ECC外語学院にて小学生から大人までの各種授業実践、統括部長を歴任した後、賢明学院へ。中学高等学校を経て現在は、小学校の英語科主任として卒業までに90%以上の児童がCEFRA1レベルまで到達する授業を実現。また、大学との連携によるCOLT (Communicative Orientation of Language Teaching Observation Scheme) を用いた授業効果を研究し、子ども達の伸びを測っている。2025年度文部科学省英語教育強化事業AI英語活用リーダー、TOEFL Primary® / TOEFL Junior®オフィシャルアドバイザー、アメリカMetaMetrics社公認Lexile & Quantile Educatorとしても活動中。

 


 

【テーマ1】オールイングリッシュで、本当に力はつく?

TOEFL Primary® / TOEFL Junior®担当者(以下、担当者): 中村先生、今日はよろしくお願いします。
私自身は、未就学児をもつ母親で、英語教育にそれなりに興味がありますが、できれば確実だとわかることを、子どもにしてあげたいです。
それで、早速お聞きするのですが、All Englishの授業は本当に英語力が身につくのでしょうか?

大切なのは、「頭の中を英語にして展開していく構造」を作ること

中村先生: そうですね……あの、もうズバリ、身につきます。
ていうのもね、やっぱり自分自身が初めて海外で生活したとき、相手が何言うてるか全く分からへんで本当に苦労したんです。
日本でのテストの点数はすごく良かったですけど、実際の生活ではコミュニケーションが取れへんかった。
大切なのは、「頭の中を英語にして展開していく構造」を作ることなんです。
日本語に置き換える時間っていうのは、本当は必要ない。
僕らが日本語を覚えたのと一緒で、早い段階からオールイングリッシュで展開していけば、子どもらの頭にはたくさん英語が残ります。
それが後のアカデミックな学習にも繋がっていくんです。 ですから、英語だけの方が身につきます。

【テーマ2】子どもは授業についていけますか?

担当者: 英語ばっかりの授業で、内容や先生の指示を理解できているのか、心配される親御さんも多いですが……。

卒業時には約半数の児童が英検3級程度を取得する力に

中村先生: うん、すごくよく分かります。
でもね、子どもたちの力っていうのは本当に無限なんです。
最初は「なんか分からへんなぁ」みたいなリアクションなんですけどね、週ごと、月ごとに、僕の言うことを全て理解できるようになってきます。

うち(中村先生)の学校には、帰国生もいれば、1年生の時は英語が苦手だった子もいる。ミックスの子もいる。英語が得意な子が苦手な子を助けてあげたりもしてね。
いろんなバックグラウンドの子を「融合していく」のは、先生の腕次第です。
しかし、先生一人で授業をやるのではなく、子どもたちと一緒に英語の環境を作っていく。
そうすることで全体の底上げに繋がるんです。

実際に、卒業時までにはみんなスムーズに授業についてきます。
高学年の児童の場合、卒業時には約半数の児童が英検3級程度を取得できるまでの力がつきます 。

【テーマ3】子ども同士で結局、「日本語の相談」をしてるのでは?

担当者: 授業中、子ども同士が日本語で喋ってしまうときはどうされてますか?

「子ども同士で相談しながらでも、英語で前進できればオッケー」

中村先生: 結論から言うと、日本語でちょっと相談するくらいなら、僕はあんまり気にしてないです。
僕の授業は、「2割がインプット、8割が活動(アウトプット)」という割合をすごく意識してます。説明の2割の時間で「あ、理解できてへんな」という空気があれば、僕も当然日本語を使います。
でも、残りの8割は子どもらが主役の活動です。
自分らで会話を作り上げて発表するっていうゴールがあるから、その作業の途中で「ここどうする?」って日本語で相談するのは、むしろ容認してます。
そこを全部英語に縛ってしまうと、前進できなくなりますからね。
この「2対8」のメソッドは、僕が日本で苦労した経験や、前職(英会話学校)での実践から身につけたものです。
発表の時にきっちり英語で話せて、人の話を聞けていれば、途中で少し日本語があっても英語能力には全然影響しません。
「子ども同士で相談しながらでも、英語で前進できればオッケー」。僕はそこを一番大事にしてます。

 


 

ワークショップ形式の授業では、イラストや写真と英単語を組み合わせたフラッシュカードを用いたゲームが行われました。
「Frog」「dog」「seahorse」など、子どもたちにとって身近な単語が並ぶ場面では、「too easy…」と余裕を見せる姿も見られましたが、ルールが複雑になるにつれ、子どもたちは自然と互いに声を掛け合いながら、英語を使って考え、試行錯誤する姿へと変化していきました。

中村先生が授業で何より重視されているのは、英語を「知識」として蓄えることではなく、「使いながら前進する感覚」を子ども自身が実感することです。
そのプロセスの中で、理解の差や迷いはむしろ学びの起点となり、子どもたちは自ら関わり合いながら力を伸ばしていきます。

こうした「英語で学び、英語で考える」環境を可視化し、子どもたちの現在地を測る指標の一つとなるのがTOEFL Primary®です。
出題内容は、教室でのやり取りや日常の場面に根ざしたものが多く、日々の学びの延長として無理なく取り組める設計となっています。
すでに英語環境で学んでいるお子さまにとっては、その力を自然な形で確認できる機会に。
これから英語で学ぶ環境を検討しているご家庭にとっては、「英語を使って学ぶ」ことの具体的なイメージを持つ手がかりとなるでしょう。

All Englishの授業を体験した後は、TOEFL Primary®テストに挑戦。「英語で読んで聞き、回答する」スイッチの入った子どもたちは、鉛筆もぐんぐん進む。